アセスメント 2回目

随分久しぶりの更新になりました。
たまにはこちらも更新しようかという気分になって来ました。

前回のアセスメントから1年半経って、2回目のアセスメントを受けました。
ATIの2018年次総会が京都だあったので、会議の前日に受けることができました。
アセスメントをしてくれたのは、スイスで活動されているマスター・ティーチャーのローザルイザ・ロッシさんでした。
2018年10月19日(金)でした。
会場の部屋に入ると、ローザさんと通訳をしてくれた柴山侑佑夏さん、レッスンを受けてくれる生徒役のTさん。
それに今後スポンサーになる可能性のある、ビル(ウィリアム)コナブルさんがいました。

自己紹介があり幾つかの話をしました。
職業は?
どうしてアレクサンダーを学び始めたの?
あなたにとってアレクサンダー・テクニックはどんなものですか?
この質問で考え込んでしまいました。
それほどの時間ではなかったと思いますが、考えた。

アレクサンダー・テクニークを学ぶ前までは、自分は「準備をする人」だった。
様々な場面を想定し、どんなことも想定内にしていようとしていた。
そうやってずっと生きてきたのが、アレクサンダー・テクニークを学び教師になって少し変わったかもしれない。
準備をすることもあるが、その場での対応。
その日その時そのタイミングに居て、そこで考えるようになったかもしれない。

そんな話をしました。
そうしたらローザさんが、私も同じ!とニッコリ笑いました。
そして彼女の履歴のような話があったと思います。
この時の話はとても感慨深いものがありました。
考えてみれば生き方に関係するものだろうからです。

その後に来てくれていた生徒さん役の人にレッスンをしました。
最初に「何か気になるところはありますか?」と聞くと、股関節に違和感があると言う。
そのことが頭に残りました。
手で触れ、歩き、立ち止まり、また触れました。
ハンズオンワークです。
その時々に「股関節が動けば良いな」と言う気持ちが頭にあったと思います。
10分ほどしても生徒さん役の人に変化がありませんでした。
正直、少し焦りましたね。

だってアセスメント(評価)ですから。

でもまあ仕方がない、股関節が何とかなってもらいたいなんてやめて、ただ触れることをしよう。
そう思って触れた瞬間に変わりました。
生徒さん役の人に変化があり、背骨がグニュグニュと動き出しました。
瞬間、ローザさんがニッコリ笑って、何があったかわかる?と聞かれました。
もちろん。
大きな変化がありました。
ただ、それは今まで自分が持っていた意図のようなものを手放したら出てきました。

そこで生徒さんからも言葉が出てきました。
最初は実はもう少し待って欲しかった。
でも待ってもらえないので、どうしようと思っているうちに時間がすぎていった。
それがなくなった時に、自分に変化が起きました。
そんな話です。

ハンズオンワークは調整やマッサージではありません。
そのことは分かっていて、生徒さん役の体を動かそうとまでは思っていませんでしたが、でも手が少しそんな風に動いたのかもしれません。
それはそのまま生徒さんに伝わりました。
いけませんね。

そんなことがあってアセスメントは終わりました。
途中でサインもうしますよ。
あなたは大丈夫と言うようなことを言われました。

とても面白い経験でした。
終わって時間があったので、生徒さん役の人と少しレッスンをしました。
とても感受性の高い人で、自分の感覚を言葉にするのがとてもうまい。
良い生徒さん役の方と当たったと思いました。

2回目のアセスメントが終わりました。
アセスメントは自分にとっては確認の場でもありました。
また次のレッスンについて考えるきっかけにもなりました。

ちょっとまとまりのない文章になりましたが、出てきた考えをそのまま書きました。

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アセスメント

アレクサンダー・テクニーク・インターナショナル(ATI)に入会するためのアセスメント(評価)を受けることにしました。
アメリカにあるアレクサンダー・テクニークの国際組織で、師匠佐季子さんやマーサも会員になっている(と言うか二人はスポンサー)なっている、自分のルーツとなる組織です。
入会のためには3人のスポンサーのアセスメントを受けると言う条件があります。
スポンサーとは入会などの評価をしたり承認したりする人で、アセスメントとは入会のための評価と言うことになります。
評価と言っても、試験をして合格不合格と言うものではなく、基本的なことが出来ているかどうかの確認と、これからのためにアドバイスをすると言うようなもの、と聞いてはいたが、やっぱり少しは緊張するものです。


昨日はその一回目でスーザン・シンクレアさんのアセスメントを受けた。
前日に連絡をもらって質問事項は聞いていたが、その場になるとなかなか上手く言えないものだと思った。
質問が終ってワークをすることになった。


座っている状態。
そこから立つ。
立った状態。
そこから歩く。
テーブルワーク。
動きに対するアクティビティ。


そこでいくつかのアドバイスを頂いた。
動きに対するアクティビティは、始めてチャレンジだったが、これからのためにとても参考になるものだった。
コンタクト・インプロビゼーションのような感覚で触れながら動きと同調しながら、ワークをしていく。


アレクサンダー教師になって2年半経ったこの時期にアセスメントを受けるのは、自分にとって良いことだと思う。
自分とアレクサンダー・テクニークのことを見直すことにもなるし、自分のワークを客観的に評価してもらうことも出来る。
また、同じ系統の教師からのアドバイスも受けることが出来る。
あと二人。
来年中には終わっていると思う。


※アレクサンダー・テクニーク 個人レッスン(40分=5000円)受けられます。


■てあて整体院 ・ 東京
東京都練馬区東大泉 5-27-18-A(西武池袋線大泉学園駅6分)
mail teate@nifty.com
電話 03-3922-7230

■てあて整体院 ・ 名古屋 (月に4日・千種駅1分)
愛知県名古屋市東区葵 3-14-20
mail teate@nifty.com
電話 03-3922-7230

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ATを学ぶ 213回目 最終回

2014年11月 9日 目黒にて


マーサのクラス6日目。
そしてトレーニーとしてアレクサンダーの授業を受けるのは今日が最後になる。

先ずはウォークアバウト。
そしてライダウンしている人に対して首頭にハンズオンをする。
ライダウンしている人は脚を曲げて腰をひねったり、脚をブラブラさせたりする。
それによってどんな変化があるか。

チャプター1・2から3
ハンズオンして呼吸を感じる。
その呼吸の動きの上に腕が動いている。
四つん這いで動いてみる。
チャプター1・2が起こっている上に、肩甲骨の安定と動きがあるのがわかる。
安定は固めることとは違い、安定しているが動きがあるということ。

ボールを入れるアクティビティ
ボールを入れようとして投げる。
その時に何が起こるのか。
エンドゲイニングはある、そしてそこに明確な意図もある。
この「エンドゲイニング」と「明確な意図」は共存する。
ミーンズウェアバイ。
一瞬一瞬にいることで、習慣に入りやすくなっているエンドゲイニング(目的だけ)にならないようにしていく。

ハンズオンの練習。
1.自分のヘッドリード・ボディフォローがあって、「手全体・手首を開く・感じる(WOS)」で触れ呼吸を感じる。
2.自分と相手の地面を感じる。
3.自分と相手の体全体を感じる。
4.固有受容器を相手まで伸ばしていく。
5.相手のヘッドリード・ボディフォローを狙う。(AIM)

ATI倫理規定について
教師と生徒の関係、教師と教師の関係、教師の職務上の責任の、3つの部分がある。
これは法律ではなく人がどのように関係を持つか、それぞれの人が安全に出来るようにというもの。
大切なことは相手の統合性を尊重すること。
自分と相手の境界を知り尊重する。
それを知っている分かっているということが大切。
アテクサンダー・テクニークは人と人との関係性の中では、デンジャラスな領域で行われることがある。
ハンズオンなど直接触れることは、人にとっては自分の一般的な境界の中に入ること。
それは信頼をえることが必要となる。

教えるということはどいいうこと。
ステップ・バイ・ステップのプロセスがレッスンの柱となる。
どうやってステップ・バイ・ステップに入っていくか、情報を集めるところが最初の部分。
次にステップ・バイ・ステップの部分に入っていく。
最後にその人の日常にどうやって活かしていくかを考えるのが最後の部分。

ものすごく有意義な6日間だった。
マーサから学べたことは自分にとって宝になることと思う。
基本に忠実にシンプルに行う。
ステップバイステップで行う。
相手の境界を知っていること。
自分が今何をやっているかきちんと認識していること。

繊細だけども確かなものを掴むために、手の感覚を磨き、硬い頭を柔軟にしココニアルソレを認めること。
何度も何度も繰り返し行うレッスンで、それに手垢をつけずそのままに続けること。
そうしていくことで、さらにまた変わることが出来るように思う。
これからはアレクサンダー教師として振舞うのではなく、あら木の言動がアレクサンダー教師の言動と言うことになる。

卒業式の様子はまた別に。

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ATを学ぶ 212回目

2014年11月 8日  目黒にて

マーサのクラス5日目。
先ずはウォークアバウトでマーサの手を受ける。
「イメージをしないこと」を今日からやってみる。
これまでは体の中にある骨格や筋肉をイメージして、そこに力が入っていないか、そこがどんな感じなのかを考えてネック・フリー・ボディ・フォローが出てくるのを待っていたような感じだったが、イメージすることをやめ純粋に体の感覚を味わうことにしてみる。
出来るかどうか。
でも、マーサの手と今回のサキコさんの手はそれを可能にしてくれるように思う。

仰向けに寝て首にハンズオン(触れるだけ)をする。
その状態で寝ている人は指示にしたがって、下半身を動かしてみる。
寝る側では動きをしようとしたり動きの始まりの直前に首が少しプルダウンするのがわかる。
また、触れているとそのプルダウンや硬さが良く分かった。


正座をして前に倒れ胸と腿をくっつけて座る。
その横で仙骨と頭に手を置く。
呼吸に伴って頭や背骨や仙骨が動くのを感じる。
骨のことを少し考えて触れていたが、腹腔や胸郭や脊椎の動きが別々に関連して起こっていて、複層的な感じがした。
生きている感じ。
そこから四つん這いになって背中を丸めたり反らしたりする。
自分でやっている時に、今まではヘッドリードで背中や胴体が後からついてくると言うイメージだったが、実はそうではなくてヘッドリードと脊椎全体の動きはほぼ同時に起こっていることが分かった。
頭の動きを仙骨や脊椎の動きは同時に感じられた。
わざとではなく。
これは凄い発見

肩の動きの練習。
・腕を下ろして立つ。
・腕を肩から外旋させる。
・肘を曲げる。
・肘を上げる。 → 上にのばす。
・腕を内旋させ、また外旋させる。
・肘を上げたまま曲げる。
・肘を下ろす。 → 肘を下にのばす。
・腕を内旋(元に戻す)。
・プリエ

→肩や肩甲骨や腕の動きを確認していく。

チャプター1・2
1.生きている限り呼吸と共に肋骨は動く。
  腕はからなずその動きと共に動く。
2.肩甲骨は腕の動きに安定性と柔軟性を与えている。
  そして動いている胸郭の上で動く。
チャプター1・2は常に関連している。

ここで感じたことは、無意識の動きが前提あるいは常にある上に、意識的な動きがあるということ。
生きている限り全てその状態になっていると思う。

ライ・ダウン
仰向けに寝て自分を感じる。
ライダウンや休むだけでなく、習慣性から自分を自由にさせるにも良い。
マージはいつもライダウンするようにと言っていたようだ。
ライダウンはアクティブレスト(積極的な休息)でもある。
そして自分に気づくことで長さや硬さにも気づくことが出来る。
立っていないのでトップジョイントが自由になっていることも良い。

※「結果を求めるのではなく、その時間を取るという行為」が重要だと思う。

アレクサンダーさんの言葉として。
・首が自由に。
・頭が前に上に。
・背中が長く広く。
と常に頭の中で言うと言っていたが、マージはそれだけではなく実際に動くとも言っていた。
クラシカルな方法では言うだけという方法を取る先生もいる。

日本人なので畳に座ってビルディング・バックをやってみる。

手の使い方・体の使い方・ハンズオンの仕方についての練習。

生徒さんの後ろから両腕の外側にハンズオン。
生徒さんの後ろから両脇(胸郭下端)にハンズオン。
いずれの場合も、WOS(手全体・手首を開いて・感じる)の手で触れること。
アレクサンダーを教える時の手の使い方(ハンズオン)は、全ての人が既に持っていて出来ること。
誰でも動きを感じることは出来るので、シンプルにして時間を取ることが大切。


もう一つの練習。
自己受容器を延長させる。(Extencing proprioseption)
モノをもってそれから感じる練習。
ハンズオンした後に、3つの段階を考える。
・生徒さんの呼吸を感じる。
・自分と生徒さんの地面を感じる。
・生徒さん全体を感じる。
最後の全体を感じるのが難しいが、頭で考えず呼吸と地面の両方を含めたり自分のユースを考えていると上手くいっているようだ。




アレクサンダーのレッスンをデザインする。
何事もそうだがレッスンにも最初と真ん中と終わりがある。
最初とは、予約を取った時、ドアを入った時、何をやりたいか話を始めた時。
教師は情報を集めることがとても大切。
情報はドアの入り方、コートの脱ぎ方、部屋の入り方、立ち居振る舞い、話の内容、やりたいことなどなど
全てのことにアンテナをはる。
この時間がとても大切。
生徒さんによっては何をしたいかを話せないことや、話したことと別のことをしたい場合もある。

次に途中は、何をやりたいかを聞いた後、実際にその時に何をステップバイステップしていくか。
そしてその人のプロセスとして、「観察」「わかる」「インヒビション」「ディレクション」の4つの段階を踏めるか。
これをステップバイステップしていく。
時にその人がやりたいと言ったこととは違う可能性もある。
何が本当かを知る必要がある。
そしてこの時には生徒さんが感覚的体験があることが望ましい。

終わりには、レッスンのなかで起きた使えることを出して、家に持って帰ってもらえるようにする。
スタジオを出たらもう忘れたでは意味がない。
日常に戻った時に思い出せるようなナニカを考えてわたす。


たまに、生徒さんの言っていることを、自分がとても良くしっていることがある。(もちろん逆も)
そんな時に自分の知っていることを全部出しても、生徒さんにはその時に受け止められる限度がある。
レッスンの中でステップバイステップで、生徒さんがどこまで出来るか見極める必要がある。
それは教師と生徒さんの間の二方向性の継続が必要となうr。
常に情報を受け取り対応出来るのかが、アレクサンダー教師の条件となる。
従って教え方はシステマチックではなく、全てのレッスンは全て違う。
全ての人に寄り添える繊細さが必要となる。

書き出してみると今日ももの凄い情報量だった。
でも、読み返すと、全てとてもシンプルなこと。
小手先で上手くやろうとするのは無理で無駄なこと。
一つ一つステップ・バイ・ステップで、臨機応変に対応しながら進んでいくと言うこと。
そして全てのことを含めて全体で進んでいくということ。

ううむ、あたらめて素晴らしい。

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ATを学ぶ 211回目

2014年11月7日  目黒にて

今日でマーサの授業も4日目。
夜3時間なので「疲れはどうか?」と聞かれる。
ここが既に凄い。
教えるとはそう言うことなんだろう。
相手の状況を気遣うこと。

質問を聞く。
「ソフトアイ」についてもう一度聞きたいと言う質問が出た。
ソフトアイとは周辺視野も含めると言うこと。
周辺視野は詳細は分かりにくいが動きを見るのに長けている。
その人全体の動きの質を見るのには大切なこと、その人の中で何が起こっているのかを感じるのは大切なこと。
そのためにソフトアイを使う。
現代は集中して見ることが習慣的になっているので、見方をシフトさせる必要がある。
セミナーやワークショップなどの時に、見方の話をすることは大切。
北斎の富嶽三十六景を見てきたそうだが、これはソフトアイの見方の勉強にもなる。
また、北斎の見方が年代によって変わっていったことも、絵を見てその変遷を見るとよくわかるとのこと。

肩の辺りの解剖学の話。
胸郭は全体で上下して動いている。
第一肋骨は鎖骨よりも高い位置にあり呼吸のたびに動く。
空気(肺)は鎖骨の上まで来ている。
また、胸鎖関節は上下だけでなく中心に向かっても動く関節。
肩甲骨は薄く、日にかざすと光が透けるほど。
肩甲骨のシェイプは肋骨のシェイプに沿っていて、肋骨の上を滑るように動く。
腕は胴体にくっついている訳ではなく、肩甲骨の浮くシステムに吊り下がっている。
呼吸の時には鎖骨が左右に少し離れるのを許す。
エリザベスワーカーは肩が離れていくと言っていた。

Whole hands (手全体)
Open list (手首を開く)
Sensing (感じる)
ハンスオンする時の手の感覚で、WOS(ウォス)と言う言葉が出来た!

ATIの倫理規定について少し。
ATIは学習をお互いに知り合いしあいサポートする団体です。
フォーマルコンセンサスと言う方法で物事を決めて前に進んでいる。
時間はかかるがそのこと自体が勉強。
サキコさんは今回スポンサーの一人になった。
来年のATIのコングレスはフィラデルフィアで行われる。

肩辺りの解剖学は形の話だけでなく、呼吸は生きている限りいつも行われていて、その動きの上で腕が動くと言う話があった。
全ては止まることなく、動いていることがベースになっている。

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ATを学ぶ 210回目

2014年11月 3日  鷺沼・志保バレエにて


今日で3日目
今日は志保バレエで授業を受ける。
ウォーク・アバウトをしたら、広い場所なので太極拳の確認をしていく。
マーサはATI(Alexander Technique International)の倫理委員会の委員長をやっているとのことなので、倫理規定などについても話をして欲しいと佐季子さんから話があった。
これについて話よりも実際のアクティビティのようなものをしながら感じて欲しいと言うようなことを言われた。


先ず人との距離感。
10人位の参加者全員で円形を作る。
距離をつめたり広げたりして、自分の受ける感覚を味わってみる。
ある距離を境に圧迫感があることが分かる。
次は二組に分かれてスタジオのあっちとこっちに、向かい合って並んで立つ。
相手を決めて歩いていき、ココマデと思ったらASTOP!と言うゲーム。
人によって距離は違うが、意外に遠いことが分かる。
また走って近寄ってくると、かなり遠くで危険な感じを受けることが分かる。

アレクサンダーは人との距離で言えば、デンジャラス・ゾーンで行われることが多い。
とても気をつけなければいけないと言うことを覚えておくように言われた。
確かに。
分かっていることだが、こうやってゲームをすると本当によくわかる。


オーセンティック・ムーブメント
ムーバーとウィットネスに分かれて組みになる。
ムーバーは目を閉じて、自分の体の中から起こる動きに従って動く。
どんな風に動いても良いが、上手くやろうとか格好よくしようとかどんな風に見られるかとかは考えないこと。
ウィットネスは動いているムーバーが壁や人にぶつかって危なそうな時に知らせる。
(軽く手で触れるなど)
そしてウィットネスは自分自身でいながらムーバーのそばにいる。
ムーバーの動きを評価したりしない、そこにあるがままを受け入れること。
そしてムーバーと全体の空間と共にいることをする。
ハンズオン・ワークやアレクサンダーのレッスンをしている時そのままの状況だと思った。


次に子供のバレエ・レッスンを見る。
マーサが子供たちの動きを診てレッスンをする。
5人位の子供たちが発表会で踊るナンバーを踊り、それについてレッスンをする。
先ずは一人ずつ踊るのを見て「観察」。
腕を抑えてバランスを取ろうとしているのが、全体的な印象があったことを言い、一人一人にハンズオンをする。
そして再度踊ってもらう。
ハンズオンは緊張を抜くこと、不安を抜くこと、少しずつ動くこと、頭と首が楽なこと背中が広くなっていることなどを言葉にして言っていた。
また、足から床を伝ってルルベにあがると言うことも何度も言っていた。
一気にピケに乗ろうとしてしまい、途中がなくなることに気がついてもらいたかったようだ。


アクティビティについて色々質問をした。
何をテーマにするのか、その時にその人に何を教えるのかなど、難しい問題だとも言っていた。
「先生の仕事は、ありすぎの恐怖の反応を落ち着かせること。」とアレクサンダーさん本人が言っていたと言う。
そして「アクティビティは他のことの象徴」と他の誰だかも言っていたとのこと。
アクティビティをすることで、その人がどこを気にしてどこに恐怖感があるかなどがわかると言うこと。


やはりマーサはシンプル。
素敵な授業だった。

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ATを学ぶ 208回目

2014年11月 1日  目黒にて


今日からマーサの授業が始まる。
この授業を受けることが卒業の条件のように言われていたので、最初から最後まで通して受けることになる。
どうなるのか楽しみなのか怖いのかが分からない。
サキコさん宅に着くともう10人ほどのトレーニーと卒業生教師が着いていた。
マーサからウォークアバウトを受ける。
全員が受けた後に、マーサから全員に質問があった。


『今あなたはアレクサンダー・テクニークのジャーニー(道程!?)のどのあたりにいるのか。』


と言うものだった。
僕の答えは、「スタートラインの少し手前に立った気がしている。 そして、分かることが何かが分かってきたが、そのことで分からない事の膨大さに驚いている。」と言うものでした。
これが今の心境です。
ひょっとすると、分かることが分かってきたと言うのは勘違いかもしれない、と言う思いもある。
実際には分かっていると思っていることも分かっていないのかもしれない。


卒業生教師を交えてウォークアバウトをする。
僕も手を使っても良いかとマーサに聞くと、しぶしぶOKしてくれた。
考えてみればトレーニーなのに、ウォークアバウトで手を使う側になると言うのは良くないのかもしれない。
いつもの感覚で練習をしようとしたのは間違いだったかと思った。
でもまあOKが出たのだからとハンズオンを続けることにした。


休憩を挟んでアクティビティを行った。
お題はアサコさんの「片足で立つ」と言うものだった。
今回は教師がアレクサンダーを教える時の初歩から話をするということだった。
ひょっとして僕の卒業も考慮に入れてもらえているのかもしれない。
やってもらうと、片足で立つと言っても普通に片足で立つと言うだけでなく、ダンスの途中のポーズのようなことで片足で立っていた。
そこで4つのポイントがあると言うことを聞いた。


・オブザベーション(観察)
・アウェアネス(気付き)
・インヒビション(抑制=インヒビション)
・ディレクション(方向性)


マーサが教える時には普通の生徒さんにインヒビションと言う言葉は使わずに教えるとのことだった。
そしてアクティビティ。
どうなっているかとアサコさんに聞くと、「脚がグラグラする」「首が硬くなる」というようなことを言った。
これが生徒さんの観察による気付き。
そこでマーサはハンズオンをして自分に気づかせる。
このハンズオンは彼女の倒れることに対する恐怖をインヒビションすることにつながっているとのこと。
同時に「立つ」と言う目的主義(エンドゲイニング)にならないようにインヒビションすると言うこともあったと思う。
そして、ハンズオンした後に先ずは一歩足を出すと言う動作をしてもらう。
何度か繰り返すうちに、歩幅を伸ばし片足の時間を伸ばしていく。
最後に片足でポーズを取るような動作に移る。
結果、数分のハンズオンで片足でグラグラせず首も硬くなく立てるようになった。
これはステップ・バイ・ステップ。
一つ一つのことを徐々に進んで行くことで最後に行き着くと言うこと。
一つ一つのことを恐怖なくつなげていくことで最後に行き着くと言うこと。
生徒さんにはプロセスが分かるようにワークする。とのことだった。


では、自分の状態が分からない観察しても気付きがない人にはどうするか?と聞いてみた。
答えは
『もう一度やること。』
であった。


なるほど。
そうだった、と思いました。
結局、エンドゲイニングになっているのは自分(僕)の方だったんだと思いつきました。
生徒さんをどうにかしたいと言う気持ちが強く、最終的に生徒さんが分かったとか感じたとか理解したと言うところに一足飛びに行きたいために、色々なことをしてしまう。
それこそがエンドゲイニングになっていると言うことだったと思う。
生徒さんに気付きがなければ、最初から何度でも繰り返せば良いこと。
分からせようとか教え込もうと思うことが、エンドゲイニングになっていてアレクサンダーから外れていることだったんだと思い当たりました。
(これについては先週やったレッスンで生徒さんに申し訳ないことをした記憶があり、それを思い出すことになった。)


また、最初のアレクサンダーのどのあたりにいるのか?と言うマーサの問に、卒業生が「アレクサンダーと他の手技を混ぜてしまうがどうか?」と聞かれたことからも思いついた。
アレクサンダーやクラニオや身体呼吸療法など似た手技はあるが、それぞれに別の目的でやっているので、それが混ざることは僕にはない。
でも、アレクサンダーを指導していると思っているにも関わらず、アレクサンダーではなく”最終形の方法を教えよう”と言う違った考え方になっていることがあると思った。
つまり手の使い方(手技)は区別が出来ているが、考え方に区別ができていないということだろう。
これはなかなかに難しいことだなと思う。
結局エンドゲイナーになるということは、その人にとっての目的をエンドゲインしたいと言うことだから、その人の性格や考え方の性向などが出て来るということだろう。
となると、僕自身の性格的な問題や考え方の問題を見つめる必要があるということになる。
(あたりまえか。)

性格は生来のものなのか、それとも後天的なものなのか。


性格は生来のものに違いないと思っていたが、後天的なものでひょっとしたら習慣的になっている考え方なのかもしれないと思えたのは、今日の大きな大きな収穫かもしれない。
ひょっとしたら習慣的な考え方を止めてみることで、生来の自明だと思っていた自分の性格や考え方が違っているかもしれないという可能性が少し見えた。

マーサありがとう。
佐季子さんありがとう。

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ATを学ぶ 207回目

2014年10月17日 目黒にて


到着して来年用のカレンダーの話。
自分が見て役に立つもの、こんなのがあったらイイなと言うものを作りたいとのことで、色々なアイディアを出す。
今年のものも面白かったので来年も良いものが出来るといいなぁと思う。


床のサポートを受けて起き上がる。
首が自由に背中から頭に抜ける方向性や流れを感じながら、床に付いている部分(手・足・腿・肘など)から伝わる力を感じて起きてくる。
どこかだけに力を入れるのではなく、しっかりと力を受ける。
なかなかに難しい。
初めて立ちあがる乳幼児はこんな感じなんだろうかと思いながら、試行錯誤を繰り返して立ちあがる。
出来てみても出来たのかどうか分からない。
「いつもと同じ」ルートでも方法でもないので確証が持てない。
しかしそういうものだろうと言うことくらいはわかる。
初めて立ったり歩いたりする乳幼児は、合理的生理的な方法で立ち上がっているだろうと思う。
少ない力を全て出来るだけ均等に使って起きる。
途中からハンズオンを受けながら立ち歩くところまで繋げる。
それでもまだ出来たのか出来ないのかが分からない。
あれあれっと言う感覚もない。
今日はそんなものかと思う。


次にアクティビティーとしてハンズオンをする。
人のことは自分のことよりも見やすい気がする。
しかしその前に自分のプライマリーコントロールにコンタクトすることを忘れないように。
そんなことをしながら何度か繰り返す。
夏のリトリートでやったことだが、改めてやると良い練習になった。
自分一人でも出来るので、気がついた時に出来ることが増えた。


ハンズオンの練習も少しやった。


今日はひょっとしてトレーニーとして佐季子さんの授業を受けるのは最後になるかもしれない。
日曜日に来るかもしれないので、そっちが最後か。
何か感慨があるのかと思ったが、普通の授業だった。
最近は「責任」を少し、いや結構考えている。
1955年と言うから60年近く前に亡くなったアレクサンダーさんが残した考え方・方法が、今までめんめんと受け継がれている。
様々な方法に分かれてはいるが、それでも本流は同じ。
それを後世に受け渡していく役割を得ると言うことは、日々のアレクサンダー・レッスンをすることとは別の役割としてあるんだろうと思う。
変なことは出来ない、と言うことだろうか。
オリジナリティーを出すつもりは全くない。
伝えられて来たものを自分の言葉で伝えていくだけだと思う。

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ATを学ぶ 206回目

2014年10月4日  目黒にて

昨日に引き続き参加。
昨日の質問のこともあり、手の感覚を確かめておきたかったというのもあって、1時間しか参加できなかったが行くことにした。

ハンズオンの練習。
先ずはヨウイチさんに。
彼は良い状態にあるが、いくつか気になることがあり、その話をする。
それ自体はアレクサンダーではないが、身体の使い方の気づきに繋がればと思う。

次にトリプル
一人が生徒で一人が教師役、その教師役の後ろからハンズオンをし、自分がなくなったりするポイントを指摘。
一旦立ち止まってまたやり直すという練習。
ハンズオンすると教師役はプライマリー・コントロールにコンタクト出来る。
そこから動きに繋げる時、あるいは動きが始まる時に”切れて”しまう。
動きに気持ちが持っていかれるような感じになる。
そこで一旦止まってもらい、もう一度元に戻り自分と繋がったまま動くようにやり直してもらう。
”する”訳ではなく、自分にいる(プライマリー・コントロールと繋がった)ままで、と言うこと。
繋がったままでハンズオンすることが出来ると、生徒さん役にはすぐに分かる。
途中で切れるのを後ろから見ているのはとても勉強になる。
決定的瞬間を見つける練習かと思う。

短時間だったけど良い練習になった。

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ATを学ぶ 205回目

2014年10月 3日 目黒にて

先ずはハンズオンの練習。
金曜にしては参加者が多く10人位で練習をした。
今日からヨウイチさんがやって来たので、少し触れる。


ハンズオンの時の腕を挙げる練習として、先ずは床にセミスパインで寝てお腹を凹ませ、そこから脚を伸ばしていき、そのまま腕を上に挙げる。
この時にお腹を凹ませたままで、脚伸ばし腕挙げをする。
背中全部を連れて行きながら腕を挙げる。
胸椎がどこか一箇所だけで伸展したりしないかを見ている。
立ち上がって腕を挙げる。
背中全体を連れて行く。
肩が上がっても構わない。
僕の感覚としては背中側が仙骨あたりからズルッと上がっていく感じ。
広背筋が全体で上がっていく感覚があった。
ハンズオンの時に背中が途中で切れないように、背中全体が広く長く使えるようにとのことかと思う。


終って僕から提案をした。
「アレクサンダー・テクニークって何?」と「ハンズオンて何?」に対する答えの確認。
生徒さんから良くこの二つを聞かれたり、自分で生徒さんに説明をしたりする。
その時の答えが間違っていないかを確認しておきたかった。
卒業にあたって正解ではなくても、少なくとも間違いではない話がしたいと思ったから。
結果はアレクサンダーって何?についてはギリギリ及第点。
細かなことについては文献を確認しておくことを言われた。
憶測や話に尾ひれをつけないこと。
ハンズオンて何?については決定的な間違いがあった。
実際に自分の中で考えていることは間違っていなかったが、生徒さんに話をする時に使う言葉が全く違っていた。

ハンズオンは明確な意図を持って行っている。
その意図とは生徒さんのプライマリー・コントロールにコンタクト(接触)すること。

この一点は明確にしておく必用があると言われた。
確かにそうです。
生徒さんに対して、物理的に動かしたり調整したり伸ばしたり叩いたりという意図はないが、プライマリー・コントロールにコンタクトするという意図はある。
そしてその前に自分自身のプライマリー・コントロールに自分自身でコンタクト出来ているということがもっと大切。


勉強になった。
もう直ぐなんだなと思う。
恐ろしい気持ちになる。

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