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『お願いランキング』を見て考えてしまいました。



TVの深夜番組に『お願いランキング』と言う番組があります。
色々なものをランキング付けしてしまうと言う番組です。
『ちょい足しグルメ』なんてインスタント食品に、何かちょと足すと美味しくなるなんて企画もありますが、僕が一番好きなのは『美食アカデミー』と言うコーナーです。
料理人や評論家など3人の審査員が、様々な食べ物を審査してランキング付けします。
様々なと言っても、ある会社の商品のランキングと言うことです。
例えば、冷凍食品の会社の商品で売上1位から6位までを、審査・採点してどういう順番になるかなんてことをやります。
某外食店などは、この番組でかなり酷い評価を受け、メニューがガラリと変わったと言うようなこともあったようです。
数日前、某外食カフェのパスタ料理のランキングがありました。
売上1位から3位までと季節の特別メニュー3位までのパスタを評価するというものでした。


最初からちょっと衝撃的でした。
ランチタイムのOLに大人気で、売上1位のパスタが最下位になったんです。
最近、有名になって来た青年イタリアン・シェフが、『このジェノベーゼ・ソース不味い!』と言っていました。
彼の口からと言うかこの番組で『不味い』と言う言葉を聞いたのは、たぶん始めてのことだと思います。
その1番美味しくない不味い料理が売上は1位だと言う。


考えこんじゃいましたね。
イタリアン・シェフとOLさんの味覚が違うと言うことではないと思うんです。
隣にいた若い女性料理人も少し年配の料理評論家の女性も、ともにこの料理は美味しくないと言っていましたから。
なのになぜこの料理が売上1位なのか。
原因と言うか理由はいくつか考えられますね。
先ずはマーケッティングや宣伝広告です。
確かにこのカフェの前を通ると、綺麗な写真に撮られた商品が店頭から看板のように打ち出されています。
パッと見るとこの商品を頼みたくなるのは分かります。
その上、女性に人気のアボガドと海老にジェノベーゼ・ソースです。
そのジェノベーゼソースも「ランチを意識してニンニクを少なめに」したとのこと。
そして『ニンニクの替わりにコクを出すため、ブイヨンを加えている。』、だから味もばっちり、と言うことらしいのです。
これだけターゲット・セッティングが出来て商品が構成され、宣伝や打ち出しがマッチしていれば、売れるんだろうかと思います。


しかし、それで美味しくないんじゃ意味ないんじゃないかと思ったりします。
でも、売れている。
本当に考えこんでしまいました。


この某外食カフェでは専属の料理人は置いていないそうです。
だから社員が皆、同じ味の料理を出すことが出来るように、徹底的にマニュアル化し味を標準化するための努力をしていると言うことでした。
実はジェノベーゼ・ソースのニンニクを減らしブイヨンを入れたのは、味の標準化の意味合いがかなり大きかったようです。
ブイヨンを入れておけば、旨みを感じて味のばらつきが少なくなると言うことだったらしいのです。
そこはどうよ、と思います。
ようするに誤魔化しですね。
でも、売れている。
本当に本当に考えこんでしまいました。



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コメント

むかーし、新宿の三越がまだちゃんと「三越」だったころ、2Fの喫茶店で「これはジェノベーゼではない」というジェノベーゼを食べました。
コンソメ(ブイヨン)の味ばかり感じて、なぜか玉葱が入っていて。
しかも、会計の時に「お味はいかがでしたか?」とにこやかに尋ねてくるので、
「これが良いと思って出しているんだ・・・」とびっくりしました。

またこれもずいぶん前ですが、、「恋のから騒ぎ」などで有名な女性放送作家が絶賛していたレトルトのパスタソース「クアトロフォルマッジ」(4種類のチーズ)も、余計な調味料系の味がして「うーむ」と思いました。

今回の番組は見ませんでしたが、見た人のブログ記事などを読むと、
1位以外は相当酷評されていますね。

これらを「買い」と評価する人は、
最初から
所詮チェーンのコーヒー店のパスタだし、
所詮レトルトのソースだし、
と割り引いて考えているのでしょうか。
でもたとえ580円でも、出てきた物が残念だったらやっぱり580円は残念な出費になっちゃうわけで・・・

骨董屋さんはうーんとたくさん、ホンモノを見ることでニセモノがわかるようになるそうです。
保健婦さんは、健康な赤ちゃんをたくさん見ることで、問題がある子にピンとくるようになるそうです。

評価した人たちは、少なくとも普段、ごまかそうとはしていないものを職業柄も食べている人たちですよね。
ふだんからコンビニとファストフードしか食べてなかったら、実はそのまずさが分からないのかもしれません。

番組に出ていた女性の料理評論家の方が、『私はその料金で一番美味しい物が食べたい。』と言っていました。
だから、850円で高級雲丹のパスタの時は、このメニューはいらないんじゃないかとも言っていました。

でも、食べたい人もいる … と、そこが考えてしまうところなんですよね。
個人で仕事をしていると特にですけど。

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